創立90周年記念座談会(3/5)

座 長: 次にローラースキー大会の歴史についての話題は如何でしょうか?
高 橋: 京都国体(昭和63年、1988年開催)の前年の昭和62年(1987年)に、京都の国体チームの強化策としてどこか適当な場所はないかと言うことで白羽の矢が立ったのが、天橋立だった訳です。宮津記録会として開催の第1回大会で集まったのは、全関西加盟の学生を含めて高校生以上の男女合わせて合計42 名でした。
  そして翌年からサマー時期のトレーニングの一環として認められて問い合わせも増え、第1回天橋立ローラースキー大会として発足し、7回大会からは全日本スキー連盟公認のサマー大会となりました。第3回大会からは全関西学連にも案内をするようになり、昨年開催の大会で第28 回(全関西学連としては第20 回大会)となっています。
  その後季節外の強化の一環として役員の派遣もお願いしてきていますが、今までの最大参加者数は385 名を数えています。
座 長: 種目的にはどのようになっていますか?
高 橋: 以前は男子10 kmフリー競技、女子5kmフリー競技でしたが、第20回大会から警察の許可が難しくなったため、男女5kmフリー競技に加えてスプリント競技を採用しています。スプリント競技採用は天橋立大会が先鞭をつけたかたちとなっています。
  昨年度実績では、全関西学連登録のクロスカントリー選手はほぼ全員参加と言う状況で、各大学も本大会を年間スケジュールに組み込んでいます。
浅 野: 当初は京都府スキー連盟の主催で全日本ローラースキーB級競技でしたが、その後に京都府が降りてしまったと言うことでしたね。
高 橋: それは第20回大会くらいだったと記憶していますが、もともと京都府スキー連盟主催だったものが、今では全関西学連がサポートして大学生と高校生の大会として続いている訳で、連盟からは実行委員会への金銭的及び人的サポートで運営してきています。全関西の加盟大学の中でも、九州大学とか福岡大学などが各クラブの年間行事の一環として大挙して天橋立大会に参加していると言う事実がありますし、さらに鳥取大学や以前では山口大学なども遠路参加してくれています。そして特筆すべきことは、この大会での成績が冬季大会成績にも顕著に表れていると言うことです。
座 長: サマージャンプに加えてローラースキー大会については、雪のシーズン以外にもトレーニングできると言う環境作りに連盟としてさらに努力していく必要があると感じます。
高 橋: もともとは競技人口の底辺拡大を目指したものでしたが、現在では地域の活性化にも役だっていると言う側面もあります。そして、秋口になると競技会場近隣の学校からは実施有無の問い合わせがあるなど、当該地域にとっても意味のある大会になってきていると言えます。
浅 野: 去年は中断しましたが、もう一つの大会として技術選手権大会がありますね。この大会も20 年以上続けてきていますから連盟にとっては、意味のある大会でしょう。
座 長: その話題については、特にアルペン競技の意識向上には寄与するものと考えられますので、後ほど触れたいと思います。
  本大会や季節外競技の運営について何かご意見ありませんか? クロスカントリー競技については、最近になってスプリント競技が増えるなどの動きがありますが、ワールドカップやオリンピックなどでは観客が見て楽しめる競技スタイルになってきているように感じます。
新 井: 複合競技は競技ルール自体が変わってきていて、コンバインドでは短いコースを何回も周回することになったり、競技会場に何度も戻ってくるような仕組みが観客にとって受け入れやすいルールになってきていると言えます。オリンピック級の大会では1周2 .5 km のコースを何回か周回することは観客受けしますし、周回距離が短いほど、コース整備及び監視面でも容易になるのは全関西学連でも同様です。
座 長: さて最近の男子一部校の成績ですが、近畿大学が連勝している中で京都産業大学が2回近畿大学の連勝を阻んだと言う歴史的事実がありますね。もっとも近畿大学の連勝中に大阪大学が1点差で2位になったこともありました。
事務局: 70周年記念事業(平成7年、1995年)の時には連勝中だった近畿大学が、平成19年(2007年)まで38連勝とした後に平成20年(2008年)から京都産業大学が2連勝し、その後また近畿大学が連勝して現在6連勝中です。
座 長: 次に昭和41 年(1966 年)に始まった女子部についてお話いただきたいと思います。
事務局: 第1回優勝は同志社大学でした。その後は武庫川女子大学が5連勝を含む12勝、龍谷大学が6連勝を含む9勝、神戸女学院大学の7勝、大阪体育大学の7勝、そして同志社大学が6勝ですが、ここのところ3連勝してきています。
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浅 野: 平成4年(1992年)には女子部で51校だったと言う記録があります。この年登録人数も1724名を記録しています。大会自体の選手数も延べで2000人を超えていた時代もある訳です。そして加盟校数がピークだったのは、70周年の年(平成7年、1995年)で男女合わせて118校でしたから、現在は当時の半分以下になっている訳ですよ。
座 長: 今後の課題としては、如何に加盟大学を増やすかと言うことなのですが、過去1年間やってきましたように全日本関連大学や医科大学等への新規勧誘、さらに過去加盟校への再加入への誘いなどは継続していく必要があると思います。一方では連盟運営の効率化も重要ですので、連盟の将来あるべき姿について論議したいと思います。
浅 野: 私は、平成20年(2008年)に倉敷会長の後を受けて第7代会長に就任しましたが、平成26年(2014年)に退任するまでの6年間各位に助けられながら責務を全うできましたことを感謝いたします。
  この間は、加盟校及び選手数の減少に歯止めがかからず、連盟としては苦しみの連続でしたが、現在松田会長のリーダーシップのもと、新たな改革に取り組んでいくと言う姿勢を応援していきたいと考えます。
事務局: 本連盟においては人的効率化の推進が必須であると考えています。そしてPR活動のあり方ですが、会長が常々言われているように、ホームページの活用によってスキーそのものの楽しさをよりアピールできればと考えます。
高 橋: 余談になりますが、今年の大会を見ていてもクロスカントリー競技への参加選手が少なくて、地元の役員も驚いている現場に立ち会うことになってしまいました。
事務局: 高橋副会長のご指摘通り、クロスカントリー競技、特にリレーへの参加チームの少なさに驚かされています。何故ならば、男子では4人、女子では3人のリレーメンバーが揃わないためにリレー競技に参加できない大学チームが多いのではないでしょうか?もしも可能であれば、箱根駅伝の如く混成チームの参加、これは勿論オープン参加ですから学校対抗の得点にはなりませんが、少なくとも参加意識とクロス競技全体のレベルアップに繋がるものと考えますが如何でしょうか?
  もっとも当該オープンチーム編成に当たっては、一定のルール作りが必要となります。例えば各大学1名ずつに限るとか、対抗戦と分離してスタートを遅らせるとか。
新 井: リレーに出たくてもメンバーがいないため出られない選手のモチベーションのアップにはなるでしょうが、学校対抗戦に対して影響を与える可能性があると言うことで、過去にも検討の結果実現には至っていません。
事務局: 季節外競技においては高校生が参加していますが、その数が増え過ぎては如何なものかと言う見方はあるものの、一方では彼らが全関西学連加盟大学に進学して、その結果登録学生となると言うシナリオもある訳です。
  リレーの混成チームを認めるかどうかについては、機会を設けて学生へのアンケート等で意見集約して、その実現可能性について検討してみましょう。

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